アパート経営の大家さんが利用できるリフォーム補助金制度とは?

この記事の執筆者 税理士 藤井 幹久

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

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アパートやマンションなど賃貸経営を行う大家さんの悩みの一つとして、メンテナンス費用の負担が挙げられます。メンテナンス費用が大きな負担となれば、理想とする収益が得られません。このような悩みは、リフォーム補助金を活用することで解決できます。 今回はアパート経営で積極的に活用したい補助金制度と対象工事について解説します。

リフォーム・リノベーションの相場については、「【大家さん必見】アパートのリフォーム・リノベーションの費用相場とは?」でご確認ください。

アパート経営で利用できる補助金制度とは?

大家さんはアパート経営で収益を出すために、リフォーム補助金制度を把握しておきましょう。ここでは、アパート経営で活用できる補助金制度について解説します。

長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅化リフォームとは、良質な住宅ストック(売却されている中古物件)の確保や子育て環境の整備を目的とした国土交通省の制度です。
建物の劣化対策や耐震対策、省エネ対策など性能を一定の基準まで向上させるリフォーム工事を対象に補助金を支給しています。
この制度を活用する場合は、リフォーム前にインスペクション(住宅診断)を受ける必要があります。インスペクションで指摘された劣化項目を補修して性能基準を満たせば補助金が受給できます。

補助金額

注意点

長期優良住宅(増改築)に認定をされれば、補助金受給だけではなく、ローン型減税や固定資産税の負担軽減などの恩恵が受けられます。しかし、長期優良住宅の申請費用を負担しなければいけず、定期的に建物をメンテナンスしなければいけません。長期優良住宅(増改築)認定の特徴を理解した上で申請すべきかを検討してください。

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業は、省エネ関連の設備を取り入れてエネルギー消費効率の改善と低炭素化(二酸化炭素の排出抑制)を促進することを目的とした環境省による制度です。
集合住宅を含む既存住宅において、高性能建材(断熱材・窓ガラス)を用いた断熱改修工事が補助金対象です。

補助金額

(例)アパートリフォームの補助金額の計算方法
集合住宅10戸の補助対象費用を1/3にした金額が、5戸が20万円、5戸が10万円だった場合
(5戸×15万円)+(5戸×10万円)=(75万円+50万円)=補助金額125万円

注意点

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業は予算が組まれており、予算を超えたら公募終了となります。公募期間は限られているため、早めに補助金申請の手続きをしましょう。タイミングを逃すと制度自体が利用できなくなります。そのため、制度に関する理解を深めて、公募開始時に速やかに手続きが行えるように準備しておきましょう。

住宅セーフティネット制度による補助金

住宅セーフティネット制度は、住宅確保要配慮者(高齢者・障害者・シングルマザー)の入居する住宅の改修費補助を目的とした国土交通省の制度です。住宅確保要配慮者は増加していますが、公営住宅は増えていません。このような状況を改善するため、増加する空き家のリフォームをして住宅確保要配慮者に住宅を供給することを目的としています。空き家のリフォームを行う際に補助金が受給できます。

補助金額

※耐震改修・間取り変更・シェアハウスへの改修工事を含む場合は最大100万円/戸を受給できる

注意点

住宅セーフティネット制度を活用してリフォーム工事を行った場合は、住宅確保要配慮者の入居を拒むことはできません。低所得者が入居すれば家賃滞納リスクが上がります。外国人の入居も拒むことはできないため資産価値が低下してしまう恐れがあります。

補助金対象のアパートのリフォーム工事

リフォーム補助金制度と併せて、どのようなリフォーム工事が補助金対象となりやすいかを把握しておきましょう。

エコリフォーム(省エネ・創エネ・断熱)

断熱改修など、省エネ・創エネのためのリフォーム工事は補助金対象になりやすいです。断熱リフォームや高効率給湯器の設置、太陽光発電システムの導入などが該当します。
エコリフォームで申請できる補助金制度は国の制度だけでなく、自治体も制度もあります。そのため、さまざまな制度をチェックしてみてください。

費用相場

耐震改修

耐震診断や耐震改修工事もリフォーム補助金の対象になりやすいです。特に1981年5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震基準の建物が補助対象になります。日本は震災大国のため、震災対策として倒壊する危険性があるブロック塀の撤去や解体工事費用を補助してくれる自治体が増えています。

費用相場

バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームは補助金制度の対象になりやすいです。手すりの取り付けや床の段差解消などが該当します。バリアフリーリフォームを行う場合は、補助金だけでなく介護保険を活用しましょう。要支援者または要介護者が居住する住宅のリフォームに対して助成金(上限金額20万円)が支給されます。

費用相場

テレワーク環境整備

新型コロナウイルスの影響で「新しい生活様式」が推奨されました。政府が新しい生活様式を推奨している間は、ワークスペースの確保や換気・衛生管理対策・防音工事などに補助金が出やすいです。近年、注目を浴びているリフォーム工事となります。

費用相場

まとめ

アパート経営は空室や資産価値を維持するために、定期的にメンテナンスを行う必要があります。リフォーム工事箇所で金額は変動しますが、メンテナンス費用は大きな負担となりがちです。そのため、リフォーム補助金制度が積極的に活用していきましょう。リフォーム費用の負担を軽減できれば、アパートの収益を上げられます。
アパート経営を成功させるためにはノウハウが必要です。そのため、賢くアパート経営をしたいと考えている方は専門業者に相談をしてください。「マルイシ税理士法人」でもご相談を受け付けているため、お気軽にご相談ください。

監修者情報

税理士

藤井 幹久

Fujii Mikihisa

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

相談業務を最も大切に考えており、多いときには月に100件以上の相談対応をしています。セミナー・研修の講師や執筆を数多く行っており、「大手不動産会社の全国営業マン向け税務研修の講師」「専門誌での連載コラムの執筆」「書籍の執筆」など多くの実績があります。

税理士業界の専門誌において「不動産と相続のエキスパート税理士」として特集されるなど、その専門性の高さと実績を注目されている税理士です。

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