不動産投資のリスク10選とリスクを回避する対策を不動産専門家が解説
目次
リスクというと、「危険なもの」「落とし穴」というイメージが強いと思います。 しかし、リスクとは損だけを意味するのではなく「もしかして利益が出るかもしれない」というリターンの意味も込められているのです。 リスクに立ち向かい、上手にコントロールしていかなければ、不動産投資でリターンを得ることはできないのです。 そこで本記事では、不動産投資のリスク10選について対策も合わせて解説します。
不動産投資のリスクとは?
まずは、不動産投資ではどんなリスク発生が予測されるのか、知識を入れていきましょう。リスクをしっかり理解しておけば、事前に対策することができます。
1分でわかる不動産投資のリスク一覧
不動産投資リスクの種類
不動産投資のリスクには大きく分けて3種類のリスクがあります。
では、それぞれのリスクを詳しくみていきましょう。
不動産運用面のリスク
不動産運用面のリスクとは、不動産を運用していく上で発生しやすいリスクのこと。例えば、以下のようなものがあります。
- 空き室リスク
- 修繕リスク
- 家賃滞納リスク
point!
不動産投資を行う上でよく発生しやすいリスクなため、計画的に経営方針を立て対策することが大切です。
外的要因リスク
外的要因リスクとは、自然災害や市場の変化など、運営方法とは別の外部からの影響によるものです。
- 金利上昇リスク
- 不動産価値下落リスク
- 家賃下落リスク
- 火災リスク
- 天災リスク
point!
不動産投資を始める「最初」が肝心です。これらのリスクがあるということを知っておくだけで結果が変わることも。物件の資産価値と需要をしっかり見極めましょう。
不動産管理面のリスク
不動産管理面のリスクとは、経営上、起こり得るリスクです。管理業務をしっかりと行えば、対応できますので、どんなリスクがあるのか理解しておきましょう。
- 倒産リスク
- 税務リスク
point!
信頼できる管理会社や税理士を選ぶことが大切です。信頼と実績のある会社や税理士に依頼すれば、倒産や追徴課税などのリスクは、ほぼ発生しないでしょう。
不動産投資のリスク10選と対策
上記で説明してきたリスクは細分化すると、10個に分けられます。それぞれの内容と対策を見ていきましょう。
1.空き室リスク
「空室リスク」とは、入居者が見つからず、空室期間が続いてしまうこと。不動産投資において、空室は最大のリスクです。入居者がいなければ、当然のことながら家賃収入は見込めません。
また、空室が続くと、収益がダウンすることのみならず、ローン返済にも大きく影響してきます。「もしも空室が出たらどうするか」ではなく「空室を出さないためにどうしたらいいのか」を考えていく必要があります。
対策
周辺にあるライバル物件をリサーチなどのチェックが重要です。必要であれば、設備投資やリフォームをかけることが大切です。
2.修繕リスク
どんな建物や設備でも、必ず寿命はやってくるもの。いずれやってくる劣化や損傷に対し、資金投入しなければいけないことを「修繕リスク」と言います。
外壁や屋根の塗装、設備交換、室内リフォームなど、修繕リスクは様々な箇所で発生します。また修繕費用は、築年数が経過すればするほど、高額になるという点にも注意が必要です。
対策
まとまった出費に耐えられるよう備えておくことがポイント。こまめに建物メンテナンス行ったり、大規模修繕用に貯蓄したりすることで対策できます。
3.家賃滞納リスク
入居者の家賃滞納リスクは、空室の次に大きいリスクです。滞納が続けば、空室リスクのように、収益のみならずローン返済にも支障が出てきます。
家賃滞納リスクの怖いところは、他にもあります。家賃が滞納され、収益にマイナスが生じても、簡単に借主との賃貸借契約を解除できないところです。実質的に損失が出ていても、すぐに対策が打ちにくい特徴があります。
対策
入居者と賃貸借契約を結ぶ際に保証会社を使うなどリスクヘッジできる仕組みについては事前に調べてみましょう。家賃保証会社は、家賃の充填サービスから、入居者の職業や過去の滞納歴を確認したり、家賃滞納時に督促をかけたりしてくれる心強いパートナーとなり得ます。加入を検討してみても良いでしょう。
4.金利上昇リスク
「金利上昇リスク」は、金利の変動によりローンの総支払額が増えてしまうことです。金利は、政策や経済市場の変化に伴い、上がることもあれば下がることもあります。長い返済期間のうち、このような金利変動が起こらないとも限りません。
特に、変動金利を選択している人は要注意。固定よりも金利が低い変動金利は、このような金利上昇リスクの影響を受けやすいからです。
対策
このような金利変動リスクも視野に入れ、融資を受けるようにしましょう。
金利の仕組みについて勉強しておくとよいでしょう。
5.不動産価値下落リスク
購入した時よりも不動産の価値が下がってしまうことを「不動産価値下落リスク」と言います。不動産投資には、家賃収入で利益を得るインカムゲインと、物件を売却して利益を得るキャピタルゲインとがあります。
不動産価値が下落してしまうと、想定よりも売却益が少なくなってしまうため、キャピタルゲイン計画が狂う可能性が出てきます。不動産はそう簡単に資産価値が下がることはありませんが、社会情勢や景気の変化で、大きく値下がりすることも視野に入れておきましょう。
対策
不動産価値は下落してしまうことを抑えた上で、価値が下落しにくい物件探しが大切になります。
市場の動きに左右されずに済むよう、需要のあるエリアで賃貸運営を計画するのがいいでしょう。
6.家賃下落リスク
「家賃下落リスク」とは、賃料を値下げしなければいけない状況に追い込まれることです。
建物の老朽化や市場の変化によって、しばしば賃料は見直されるものです。
対策
賃料を下げないためにはどうしたらいいのかではなく、賃料はいつか下がるものという認識でいた方が正解です。ただし、賃料が値下がりしにくい賃貸運営をすることは可能です。できるだけ資産価値を下げない方法を模索していくことが大切です。
7.火災リスク
「火災リスク」とは、その名の通り火災に遭い、建物が損傷または消失してしまうリスクです。火災は他の災害に比べて発生頻度は多くありませんが、一度発生してしまうと損害が大きいことが特徴です。
対策
火災は事前の対策で防ぐこともできるリスクでもあります。発生頻度が少ないからと言って、対策を怠らないようにしましょう。火災保険や地震保険に加入したり、構造を強化したりするのが一番効果的です。
8.天災リスク
地震や台風、液状化現象など自然災害が引き起こすリスクを「天災リスク」と言います。災害規模によっては、建物倒壊や地盤沈下などにより、賃貸運営の存続ができなくなる状況に追い込まれる可能性もあります。
対策
いつどこで、どんな規模で発生するのかわからないのが、天災の怖いところ。被害を最小限に食い止めるためには、何をすべきかを考えていく必要があります。火災リスク同様、火災保険や地震保険についてはしっかりと調べておきましょう。
9.倒産リスク
「倒産リスク」とは、管理委託している会社が倒産することで、経営に支障が出てリスクのことです。
管理会社や保証会社は、賃貸経営において活用すべきパートナーでもあります。この管理委託しているパートナーがいなくなってしまった場合、自主管理に切り替えたり、他の業者を探したりしなければいけません。
対策
管理会社の選定については、長期的に付き合っていける会社かどうかを慎重に見極めましょう。倒産リスクだけでなく、その他のサポート面でも信頼できる会社選びが大切です。
10.税務リスク
不動産投資は、しばしば節税対策として活用されることもあります。中には、所得税や相続税対策の一環として、不動産経営を始める人もいます。
しかし、正しい知識もなく節税対策を始めた結果「想像より税金が安くならない」「赤字として認められなかった」という事態に陥る人もいます。
また、間違った節税対策が税務署に否認され、追徴徴税などのペナルティをくらう人も少なくありません。これが、いわゆる「税務リスク」です。
対策
不動産の税金について相談できる専門家を探しておくと良いでしょう。
不動産投資の税務リスクを回避する対策なら、不動産と相続の専門家集団「マルイシ税理士法人」に相談するのがおすすめです。詳しくは「マルイシ税理士法人のホームページ」をご覧ください。
このように、不動産投資には様々なリスクがあります。リターンを得るためには、これらのリスクを上手にコントロールしていく知識と対策が必要になるのです。
まとめ
不動産投資では、避けようと思っても避けられないリスクが多々あります。これらのリスクは、事前に対策することで、最小限に抑えることも可能。このページで紹介してきたことを参考に、リスク対策を講じてみてください。
具体的にどんな対策を行えばいいか迷うときは、不動産と相続の専門家のアドバイスを聞くこともおすすめです。リスクマネジメントを依頼すれば、知識がなくても安定した不動産収益を得ることもできますので、ぜひ検討してみてください。