不動産投資会社の選び方とは?信頼できる会社の特徴と7つのチェックポイント
目次
不動産投資の初心者は「どの物件を買うか」に意識が行きがちですが、成功するにはパートナー(不動産投資会社)選びが重要です。
ここでは、信頼できる不動産投資会社の特徴や選ぶときのチェックポイントを中心に解説。後半では悪徳業者に引っかからないための見分け方も紹介します。
不動産投資の始め方や基礎知識について知りたい方は、まず「不動産投資とは?初心者のための始め方を徹底解説」を御覧ください。
不動産投資会社とは?信頼できる会社の特徴
不動産投資会社とは?
不動産投資会社に絶対的な定義はありませんが、一般的にはアパートやマンションなどの収益物件を扱う不動産会社を指します。一口に不動産投資会社といっても、いくつかの種類があります。
不動産投資会社の種類
主な種類は、
- 新築マンション中心のデベロッパー(不動産開発会社)
- 不動産販売代理会社(代理店)
- 中古のアパートやマンションを得意にする仲介会社
などです。
この中から自身に合う不動産投資会社を選ぶことが重要です。
例えば、中古マンションを購入したいのに新築マンションのデベロッパーと接してもミスマッチになってお互い時間のムダです。
では具体的に、信頼できる不動産投資会社をどのように探せばよいのでしょうか。
一般的な方法は、ネット検索などで良さそうな不動産投資会社をいくつかピックアップし、セミナーや面談を経て信頼性の高そうなところを選ぶやり方です。
信頼できる不動産投資会社の特徴
ただいくらネット検索をしても、そもそも信頼できる不動産投資会社の特徴を知らなければ正しい選択はできません。信頼できる不動産投資会社には、次に挙げるような特徴があります。
購入した後の物件管理もしてくれる
収益物件を売りっぱなしではなく、購入後の物件管理も担当してくれる不動投資会社は信頼できる可能性が高いです。なぜなら物件管理までする場合、入居者に人気のない物件を販売してしまうと、不動産会社自身が苦労するからです。なお、デベロッパーや仲介会社などの不動産投資会社は、同じ会社の別部門や子会社を通じて収益物件の管理をするケースが多いです。
顧客目線で物件を提案してくれる
どんな目的で不動産投資をしたいのか、どんなタイプの収益物件を求めているかなど顧客の要望をしっかりヒアリングした上で、それに合ったタイプの物件を提案してくれる不動産会社は信頼性が高いです。
リスクやデメリットも説明してくれる
信頼できる不動産会社は、適切な情報提供をした上で、顧客の最終判断を尊重してくれます。また情報提供では、メリットだけでなく、リスクやデメリットについても教えてくれる不動産投資会社が望ましいです。
顧客にとっての有益情報をセミナーで提供している
多くの不動産投資会社がセミナーを企画していますが(ただし、コロナ禍では減少傾向も…)、それに参加するとその会社のスタンスがよくわかります。避けたいのは、自社のポジショントーク一色の不動産投資会社です。信頼できる不動産投資会社は、物件の選び方や融資のコツなど本当に役立つことを教えてくれます。
ネット上で積極的に情報発信をしている
最近では、自社メディアを立ち上げ、不動産投資の初心者に役立つ情報を発信している不動産投資会社も目立ちます。不動産投資のプラス面だけでなく、デメリット、リスク、注意点などについての情報発信を積極的にしている不動産投資会社は好感が持てます。
良い評判や口コミが多い
ネット検索をしたときに良い評判や口コミが目立つ不動産投資会社は信頼できる可能性が高いです。ただし、ネット検索をしたときに、少数の低評価が出てくる不動産投資会社は許容できるケースもあります。特に大手や中堅の不動産会社だと社員数が多いため、少数の低評価が出てくるのは仕方ない面もあります。
不動産投資会社ランキングは信用できる?
このとき注意したいのは、複数の業者が一覧化できる「不動産投資会社ランキング」。
内容の信憑(しんぴょう)性は、掲載されているメディアで変わってきます。不動産の総合サイトや経済誌が運営するメディアのランキングは一定の信頼性があります。
しかし、特定の不動産会社が関与していたり、アフィリエイト目的だったりするランキングは信頼性に疑問があります。このため、ランキング情報は参考程度にすべきでしょう。
手間はかかりますが、購入したい物件タイプ(アパート、マンション、中古・新築)やエリアなどを検索キーワードに入れて不動産投資会社を探すのがベターです。
不動産投資会社の選ぶときの7つのチェックポイント
前項では、信頼できる不動産投資会社の特徴を学びました。
併せて、7つのチェックポイントを知っておくと選択の精度が上がります。
- 1:実績数はどれくらいか
- 2:求めるエリアでの実績が多いか
- 3:管理物件数が多いか
- 4:平均稼働率(空室率)はどれくらいか
- 5:提携金融機関があるか
- 6:資本金が大きいか
- 7:従業員が多いか、年齢層で偏りがないか
1:実績数はどれくらいか
実績は最重要のチェックポイントです。ただ実績を確認するときは「豊富な実績がある」といった曖昧な表現ではなく、数を聞くことが重要です。新築物件のデベロッパーであれば過去に開発した軒数や棟数、中古物件を得意にする仲介会社であれば取り扱い物件数などを確認するのがよいでしょう。複数の不動産投資会社の数を比較することで、その数が多いのか少ないのかが判断できます。
2:求めるエリアでの実績が多いか
ただしいくら実績が多いといっても、求めるエリアやカテゴリでの実績でなければ意味がありません。例えば関西の収益物件が欲しいのに、東京圏の実績数が多くても信頼を判断する材料にはなりません。また、一口に収益物件といっても戸建、区分マンション、一棟物件などさまざまです。実績の中身も必ず確認しましょう。
3:管理物件数が多いか
先ほど解説した通り、収益物件を購入した後の物件管理までしてくれる不動産投資会社が理想です。とはいえ、管理能力のない不動産投資会社に任せてしまうと、空室リスクが高まってしまいます。この管理能力の指標になるのが「どれくらいの数の管理物件があるのか」です。管理物件数の多さは、たくさんのオーナーが信頼を寄せている証といえるでしょう。
4:平均稼働率(空室率)はどれくらいか
管理物件数と共に平均稼働率(空室率)も大事なチェックポイントです。なお、どれくらいの稼働率だとよいかはエリアによります。都心のマンションは95%以上が目立ちますが、郊外のアパートなどは空室率が高いエリアも目立ちます。
5:提携金融機関があるか
ローン利用を希望する顧客に対して、紹介できる提携金融機関のある不動産投資会社も信頼性が高いと考えられます。金融機関が提携している理由は、過去の実績数が多いこと、その不動産会社の扱う物件の信頼性が高いことなどが考えられます。
6:資本金が大きいか
パートナーとして選んだ不動産投資会社が倒産してしまえば、物件管理や売却時で悪影響が出てくる可能性があります。そのため、取引をする不動産投資会社の経営状況にもアンテナを張っておく必要があります。
上場している不動産投資会社であれば、財務内容が公開されているため、経営状況がわかりやすいです。一方、末上場の不動産投資会社は財務内容がブラックボックスのため判断が難しいです。参考情報として、公式サイトの会社概要などで資本金がどれくらいかを確認するのも一案です。これも複数の不動産投資会社を比較して、多い少ないを判断しましょう。
7:従業員が多いか、年齢層で偏りがないか
従業員が多い(規模が大きい)ということも不動産投資会社を選ぶときの安心材料にはなります。一方で、入社数年以内など若手比率が極端に高い不動産投資会社は、専門的なアドバイスが受けられない可能性があるので注意しましょう。
不動産投資会社を選ぶ際の注意点
ここまでは信頼性の高い不動産投資会社の特徴やチェックポイントを紹介してきました。この項では逆の視点で、悪徳不動産会社の共通点も抑えておきましょう。出合った不動産会社が下記のような行動をとったら要注意です。なお、悪徳不動産会社に対しては「買うつもりは一切ありません!」と意思を明確に表すことが重要です。
営業がしつこくないか?
相手が営業マンである以上、営業行為をしてくるのは当然のことです。しかし、常識の範囲を超えたしつこい営業をしてくる不動産投資会社は要警戒です。しつこい営業の例としては、あまりにも頻繁に連絡をしてくる、会社にまで連絡をしてくる、夜遅い時間に電話をしてくるなどが挙げられます。
顧客の状況に合わない物件を勧めないか?
こちらの要望をほとんど聞かず、「この物件はおすすめ!」的なスタンスでゴリゴリの営業をしてくる不動産会社は悪徳業者です。不動産投資には生命保険代わりになる、所得税や相続税の節税になるなどのメリットもあります。しかしこれらは顧客が魅力を感じてこそのメリットです。顧客が望んでいないのにも関わらず、メリットを並べて強引に営業してくる不動産投資会社は避けるべきでしょう。
「儲かる」「リスクがない」という言葉を使わないか?
不動産投資だけでなく、投資には必ずリスクがあります。それにもかかわらず、「高利回りだから絶対儲かる(後悔しない)」「リスクがほとんどない」などに近いセールストークをしてくる不動産投資会社はそれだけで悪徳業者です。
プレッシャーをかけてこないか?
さまざまな情報提供を受けた後、最終的な購入判断をするのはあくまでも顧客側のはずです。それにもかかわらず、「他にも買いたいという人がいるので、ここで決断してください!」「ここまで時間を使って説明してきたのだから今すぐ決めてください!」といった具合にプレッシャーをかけてくる不動産投資会社は悪徳業者です。
おとり広告を使っていないか?
おとり広告とはその名の通り、客を引き寄せるためのおとり(存在しない物件または取引対象にならない物件など)を使った広告です。例えば収益物件の検索サイトで、条件の良い物件を見つけ問い合わせたら成約済みと言われ、他の物件を紹介されたり、しつこい営業を受けたりするようなパターンです。
初心者は収益物件よりも先に不動産投資会社を決めるべき
不動産投資を始めるときには、2つの選択肢があります。1つ目は収益物件の検索サイトなどで気に入ったマンションやアパートなどを先に探すやり方です。もう1つは、不動産投資会社を先に決めて、条件に合う収益物件を提案してもらうやり方です。
不動産投資の初心者は、収益物件の選び方やリスクなどの知識が足りません。この足りない部分を埋めてくれる存在が不動産投資会社です。信頼できるパートナーがいれば、アドバイスを受けながら家賃収入を安定的に得られる収益物件を探しやすくなります。そのため初心者の場合は「不動産投資会社を先に決める方」が成功確率が高くなると考えられます。
まとめ
ここでは初心者向けに、信頼できる不動産会社の特徴と不動産投資会社の正しい選び方をテーマに解説してきました。
不動産投資会社を選ぶまでには、手間と時間がかかりますが、このフェーズを無事終えれば成功確率はかなり高まったといえます。妥協せずに100%納得できる不動産投資会社を選びましょう。
また、しつこい営業の業者やプレッシャーをかけてくる業者には注意してください。