子供のために資産形成をするなら不動産投資が最適!失敗しないための方法などを解説

この記事の執筆者 税理士 藤井 幹久

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

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子育てや相続を見越して何か資産形成を始めたいと思うものの、自分には何が適しているのかわからないという人は多いのではないでしょうか。子供のためを考えるのであれば、不動産投資は最適な資産運用です。 この記事では、不動産投資が子供のための資産形成として最適な理由や、失敗しない物件の選び方などについて解説します。

子供の資産形成には不動産投資がおすすめ

子供のための資産形成として考えられる方法は複数ありますが、最もおすすめの方法は不動産投資です。運用期間やリスクコントロールの観点から、不動産投資がおすすめな理由などについて解説します。

子供の資産形成に不動産投資がおすすめな理由

子供の資産形成に使える手段とは

子育ての資金対策や子供に残せる資産の形成という点で考えると、不動産投資に加えて長期的に運用実務を委託できる投資信託やクラウドファンディングによる投資などが挙げられます。

どちらかというと、株式投資やFXといった短期間での売買が想定される資産運用よりも、運用期間が長期間になる資産運用の方が有効です。

子供を4年生の大学まで通わせることを考えれば、子育ては22年続きます。さらに、子供の希望によって大学院まで通うことになれば、子育て期間は24年です。

高卒であっても18年と子育て期間は長期間に渡るため、子育ての資金対策であっても、子供に何らかの資産を残したいと考える場合にも、相応の投資期間を想定する必要があります。

不動産投資が子供の資産形成に最適な理由

子供の資産形成にあたって考えられる資産運用は複数ありますが、その中でも不動産投資は最適です。不動産投資は既に解説した「運用期間が長期間」という要素が合致する上に、他の資産運用と比較するとミドルリスク・ミドルリターンと言えます。

子育ての資金対策または子供に資産を残す場合には、資産運用における失敗は特に避けるべきです。物件を選ぶ時点で綿密な情報収集ができれば、不動産投資のリスクは抑えることができます。

投資信託も長期的な運用が想定されるものではありますが、どちらかというと市場での売買による売却益を狙った資産運用という側面が大きく、不動産投資と比較すると安定性に欠けていると言えるでしょう。

そのほか、不動産投資にはローンを利用できるという特長もあります。なお、株式投資においても信用取引という仕組みがあり、他人資本を利用することで資産運用が可能です。しかし、信用取引は損失額が規定以上に達した時点で一括返済を求められるため、値動きが大きい株式投資などの特徴と相まってリスクが大きくなります。

不動産は一昼夜で大きく価格変動することがなく、突然大きな損失が発生するリスクは低いものです。他の資産運用と比較すると確実性が高く、事前にリスクをコントロールできるという点で、不動産投資は他の資産運用よりも子供の資産形成に向いていると言えます。

子供の資産形成における不動産投資のメリット・デメリット

子供の資産形成において不動産投資を選択するメリットは、運用管理を委託することで手間を省けることと、万一のことがあっても実物資産を子供に残せることなどが挙げられます。その一方で、初期費用の支出やローンの利用額などには要注意です。

子育てしながらでも資産運用が可能になる

不動産投資が持つ特長の1つに、賃貸運用に関する様々な手間を不動産会社に委託できるというものがあります。子供がいる世帯で資産運用をする場合は、事務処理や居住者の対応などを第三者へ委託できる点は大きなメリットです。

子持ち世帯の共働きも増えている昨今では、子育ての傍らで資産運用に取り組むのは大きな労力を要します。しかし、不動産投資においては時間や労力の心配をする必要はありません。

万一の場合にも大きな資産を残せる

不動産投資が持つメリットの2つ目として、金融機関のローンを利用することで自己資金を抑制できる点があります。また、不動産投資ローンの利用にあたっては、団体信用生命保険への加入を義務付けている金融機関が大半です。

団体信用生命保険に加入すると、契約者が万一なくなってしまった場合や働けなくなるほどの重病を患った場合などに、残債相当額の保険金を受け取れます。保険金を受け取ればローンを完済できるため、その後の運用に当たってはローンを返済する必要がありません。

また、万一物件を売却する場合には、売却額がローンの残債を下回るリスクがあることも事実です。しかし、保険金によってローンを完済できていれば、こうしたリスクを心配する必要もありません。

頭金や諸費用などの支出がかさむ

不動産投資にはローンを利用できると解説しましたが、物件を購入するためには一定額の自己資金が必要です。金融機関の審査次第では、ローンの利用はできても物件価格の何割かを自己資金で支払うよう求められることもあります。

自己資金の金額としては物件価格の1割~3割が目安です。また、物件価格以外にも物件の所有権登記・仲介手数料など諸手続きにかかる費用があり、こちらも物件価格の1割程度が目安となります。

例えば2,000万円の物件を購入する場合は、200万円から800万円以上などの自己資金を要することもあるので要注意です。

ローンの利用による返済比率の上昇に要注意

子育てには教育費など様々な資金が必要であり、教育ローンなどを利用するケースも少なくありません。そのほか、マイホームを購入する場合には住宅ローンを利用することもあります。

すでに何らかのローンを利用している場合に、さらにローンを利用して不動産投資を進めようとしているのであれば返済比率の上昇に要注意です。返済比率とは、毎月の収入に対してローンの返済額が占めている割合のことを指します。

不動産投資ローンとその他のローンとを合わせた場合に、返済比率は30%以下になるのが理想的です。なお、返済比率は低ければ低いほどリスクが小さくなります。

子供の資産形成で不動産投資を行う際の注意点

子供の資産形成を考える上では、長期的な資産計画に基づいて投資を進めるとともに、ハイリスク・ハイリターンとならないよう注意することが必要です。具体的な注意点について解説していきます。

教育費とは別財布から行う

既に解説した通り、不動産投資を始めるためには物件価格の1割以上を目安として自己資金が必要です。そのほか、ローンを利用して物件を購入した場合には、万一空室が発生すると給与収入など他の収入から返済額を捻出する必要に迫られます。

しかし、返済が苦しいからと言って教育費に手を付けるのは禁物です。子供の将来を見越して資産運用を始めたのに、教育費を減らしてまで続けることは望ましくありません。不動産投資においてローンを利用する場合には特に、綿密な資金計画を立ててから始めることが重要です。

ハイリターンを求めすぎない

不動産投資の主な収入源は家賃収入であり、入居者がいないと家賃収入は入ってきません。空室の長期化は不動産投資において最もケアすべきリスクの1つです。投資用不動産の広告には表面利回りの表記がありますが、利回りありきで物件を選ぶのは避けるのが賢明と言えます。

高利回りの物件は価格が安いものも多く、安価な物件は木造の築古物件などであることが少なくありません。木造の築古物件などは入居者の人気があまり高くないため、空室対策が大変になります。

結果的に家賃を下げざるを得ず、利回りが低下してしまっては意味がありません。また、空室期間の多い物件は売却する時にも買手がつきにくいものです。不動産投資においてハイリターンを求めすぎると後々苦労することもあるので、購入する物件は慎重に見極めることが重要になります。

老後資金のことも考える

子育てには多額の資金が必要なため、目先の資金計画にばかり目が行きがちです。しかし、不動産投資は10年以上など長期間にわたる資産運用となることも少なくありません。

また、子供はいずれ独立するため、子供が独立した後にやってくる老後の資金計画を立てることも重要です。年金などの備えに加えて介護費が必要になることも考えられます。

子供がいる世帯において不動産投資を含む資産運用を進める上では、長期的な資産計画を立てることが重要です。

子供が運用しやすい不動産を選ぶ

子供がいる世帯で不動産投資をする場合は、運用する物件を子供に相続することも視野に入れる必要があります。不動産投資は軌道に乗せるために知識を要する資産運用ですが、物件を購入する当人は知識があっても、子供もその知識があるとは限りません。

このため、相続も視野に入れた不動産投資をする場合は、子供が相続した後にもスムーズに運用できるような物件を選ぶことが重要です。その一方で、投資用不動産の相続は「負動産」などと言われることも多いものです。

相続した投資用不動産にネガティブなイメージがついているのは、子供が相続後に上手く運用できなかった実例に基づいています。

子供が運用しやすい不動産(物件)とは?

相続も視野に入れた不動産投資を進めるためには、相続後も賃貸運用に苦労しない物件を選ぶことが必要です。ここからは、相続後も苦労しない物件の特徴について解説します。

好立地の物件

相続後も苦労しない物件とは、言いかえれば入居者探しに苦労しない物件のことです。投資用不動産を相続してみたら入居者が全然入っておらず、赤字経営が続いていたという例は少なくありません。

入居者に選ばれる物件の特徴として代表的なのは立地が良いことです。駅から近い・スーパーなど生活利便施設から近いなどの特徴を持っている物件は、例えば20代から30代など賃貸住宅に住むことが多く現役で働いている人たちに好まれます。

そのほか、オフィス街から電車で30分以内の距離にあることも重要です。よく言われる「立地の良さ」には、買物に便利なことに加えて通勤に便利であることも含まれます。

築浅の物件

立地の良さとともに、築年数が浅いことも入居者に好まれる賃貸物件の特徴として挙げられます。「築古の物件」に明確な定義はありませんが、例えば築25年を超えるような物件は築古と考えて問題ありません。

築古の物件では入居者を集めにくいデメリットがあるほか、修繕費がかさむリスクも出てきます。修繕費は不動産投資でかかる経費の中でも高額になることが多く、投資による手残り額を増やすためには削減すべき経費の1つです。

相続も視野に入れるのであれば、子供へ相続する頃に25年などを超えないよう、あらかじめ新築の物件や築5年以内など新しめの物件を購入することが必要です。あるいは、子供へ相続する前に新しめの物件へ買い替えるなどの対策も有効と言えます。

いずれにせよ、相続の時期と築年数との関係に注意しながら不動産の運用計画を立てることが重要です。

適切な管理を継続している物件

不動産投資では賃貸運用にかかる手間を不動産会社へ委託できると解説しました。管理を委託する不動産会社選びも重要なポイントです。委託する管理業務の中には、入居者の対応に加えて入居者を募集する業務も含まれます。

不動産投資において空室のリスクを軽減するためには、入居者募集に長けた不動産会社を選ぶことも必要です。不動産会社を選ぶ上では、複数の会社を比較することが有効になります。なお、投資用不動産を販売している会社が物件購入後の管理まで請け負っているケースも少なくありません。

その場合は、購入する物件の入居者を募集するのであれば、どういう人がターゲットになるのか、どのようにアプローチするのかなどを確認しながら検討することが重要です。

子供が運用しやすい不動産(物件)の選び方

子供が運用しやすい不動産とは、言いかえれば空室リスクが低い物件です。ここからは空室リスクが低い物件を選ぶためのポイントについて解説します。

首都圏など都心に近いエリアで選ぶ

大まかなエリアについては、空室によるリスクを考慮すれば首都圏が最も低リスクです。東京都は日本で最も世帯当たりの人数が少なく、他のエリアと比較すればワンルームマンションの需要も高くなります。また、賃貸住宅に住んでいる人の比率が高い点も特徴的です。

例えば東京駅・新宿駅・品川駅など企業のオフィスが集まっているエリアから電車で30分以内などを目途としてエリアを選ぶことが有効になります。

その一方で、地方都市で物件を選ぶ場合はとにかく都心に近いことが重要です。地方都市では特に、都心からの距離が離れるほど、持ち家比率が上がって家を借りる人が少なくなります。

また、地方でファミリー向けの物件を選ぶ場合は、駐車場が必須とされる場合も多いものです。具体的にどういう物件が好まれるのか、地元の不動産会社にヒアリングを重ねて物件を絞り込んでいくことも有効になります。

家賃や価格の下落率が低い物件

不動産は築年数が経過するにつれて価格が下落していく資産です。物件価格と比較すると下落率は低いものの、家賃も築年数の経過とともに下落していきます。

家賃の低下は収益の低下につながるうえに、物件価格が下がっていくと売却しても残債が残るなどのことが起こり得ます。好立地の物件では家賃も物件価格も下がりにくいものです。

そのほか、市街地再開発が予定されているエリアでは、周辺の物件価格が上がることもあります。再開発の予定については自治体のホームページに掲載されています。気になる物件が見つかったら、周辺で再開発などの予定がないか自治体のホームページを確認するのも有効です。

また、中古物件に投資する場合は、事前にレントロールという資料を見ることで家賃がどれくらいのペースで下がっているのか確認できます。なお、レントロールには入居者が入っていた期間も掲載されているため、空室リスクの高い物件を避けるためにもレントロールの事前確認は重要です。

ただし、新築物件を購入する場合は賃貸の履歴がないため、レントロールを確認できないので要注意です。新築物件の場合は年齢別の人口分布やオフィス街からの距離など、別の情報に基づいて判断する必要があります。

まとめ

子育ての資金対策または子供に資産を残す目的で資産運用をするのであれば、不動産投資がおすすめです。他の資産運用と比較すると、不動産投資による利益はある程度大きくなるうえに、事前に綿密な調査検討をすることでリスクを抑制できます。

子供に資産を残すという観点から物件を選ぶ上では、空室のリスクが低い物件を見極めることが重要です。空室リスクが低い物件を見極めるためのポイントとしては、立地や利便性にこだわってエリアを選ぶことや、築浅の物件を選ぶことなどが挙げられます。

なお、子育てや相続を見越した資産形成をする上では、長期的な運用計画を立てることも重要です。子供の独立など、ライフイベントの時期を見越して計画を立てることが必要になります。

監修者情報

税理士

藤井 幹久

Fujii Mikihisa

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

相談業務を最も大切に考えており、多いときには月に100件以上の相談対応をしています。セミナー・研修の講師や執筆を数多く行っており、「大手不動産会社の全国営業マン向け税務研修の講師」「専門誌での連載コラムの執筆」「書籍の執筆」など多くの実績があります。

税理士業界の専門誌において「不動産と相続のエキスパート税理士」として特集されるなど、その専門性の高さと実績を注目されている税理士です。

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