税理士の働き方とは?働き方の種類とそれぞれのメリット・デメリット
目次
公認会計士試験に合格すると監査法人に、医師国家試験に合格すると医師として病院に勤める道が拓けますが、同じ難関国家試験でも税理士の場合は少し違います。
税理士の試験に合格して無事税理士になると、税理士法人に勤務する以外にも、実に数多くの働き方を選択することが可能になります。
税理士資格を取得すると働き方の自由度が高くなるため、ライフプランに出産や育児などがある女性にとっては特に魅力的な職業ではありますが、どの働き方を選ぶかによって、実はメリットとデメリットがことなります。
そこで本記事では、税理士の働き方にはどのようなものがあり、それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのかを整理し、今後の選択に役立てていただけるように解説していきます。
税理士の働き方と種類
税理士試験に合格後に税理士として働く場合、その働き方は大きく分けると以下の3つになります。
- 1.税理士法人・会計事務所で勤務する
- 2.一般企業で勤務する
- 3.開業税理士
税理士資格取得後の働き方には、さまざまな形態があります。
どれもそれぞれに魅力があり、得られるメリットがある反面、デメリットもそれぞれに抱えています。
それらを十分に理解したうえでご自身に合った道を選択できれば、税理士として明るい未来が拓けることでしょう。
「問題解決してこその士業」をサービスポリシーとして、日々、税理士業をアップデートしています。
不動産と相続「だけ」を業務としていますが、不動産と相続の「すべて」を業務とし、
不動産税理士として、不動産税務や相続税といった税務の切り口から、不動産と相続のマーケットに確かなポジションを築いています。
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税理士の働き方とメリット・デメリット一覧
次は、税理士の働き方ごとにメリットとデメリットを整理してみます。
働き方のメリットとデメリットを確認しながら、ご自身にとってどの働き方が最適なのかを考えてみましょう。
働き方 | メリット | デメリット |
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税理士法人 会計事務所(中小企業) |
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税理士法人 会計事務所(大手企業) |
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一般企業 |
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独立開業 |
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1.税理士法人・会計事務所での働き方とメリット・デメリット
税理士法人・会計事務所での働き方
税理士の働き方の中で、もっともメジャーな選択肢のひとつが税理士法人での勤務です。
税理士としての専門知識を屈指し、能力をフルに発揮して実務をこなすことができます。
また、将来的に独立を考えている場合でも、税理士としての業務経験を積むために税理士法人での勤務が選ばれています。
税理士法人・会計事務所では働くメリット・デメリット
ただし、税理士法人といってもその規模や形態はさまざまで、どこに勤務するのかによって身につくスキルや今後の人生が大きく変わります。
税理士法人・会計事務所は、中小規模と大規模とでは業務内容が大きくことなるため、それぞれに分けて整理していきます。
中小税理士法人
中小税理士法人とは、所長税理士1名と2~3名程度の税理士補助業務を行うスタッフがいる小規模会計事務所から、税理士の有資格者だけで数名以上を抱える中規模税理士法人までをいいます。
日本中の会計事務所の大半はこの中小税理士法人に該当し、多くは中小ならではのフットワークの軽さや小回りの効いた地域密着型の業務を行っています。
中小企業法人に就職すると、担当の顧問先の税務だけでなく、経営戦略や融資による資金調達、事業承継などさまざまな業務に携わることになります。
中小税理士法人で働くメリット
大規模税理士法人とは違い、顧問先の経営者と二人三脚で税務・財務面をはじめとする企業のあらゆる面をサポートしていくため、さまざまな業務に関する経験ができるのはもちろんのこと、将来開業税理士となるための基礎を築くことができます。
中小税理士法人で働くデメリット
反対にデメリットとしては、専門性の高い業務が行いにくい点が挙げられます。
大規模税理士法人と比べるとどうしても業務の専門性や特殊性には欠けてしまうため、オンリーワンとして生き残る能力を身につけるにはやや不向きであると言わざるを得ないでしょう。
大規模税理士法人
いわゆる「BIG4」と呼ばれる世界規模の外資系会計グループ内の税理士法人や、従業員数が100人以上の会計事務所が、大規模税理士法人となります。
大規模税理士法人で働くメリット
これだけの大規模企業になると、国内だけでなく諸外国の税務はもちろんのこと、クロスボーダーM&Aや移転価格税制などきわめて専門的かつ高度な業務を行うことになります。税理士として求められるレベルが高いのはもちろんのこと、税務以外に語学なども必要となるため、国際的かつ専門的な仕事がしたい方には最適でしょう。
大規模税理士法人で働くデメリット
また、給与水準や福利厚生が中小税理士法人と比べると高いというメリットもある反面、難易度も仕事量も多く激務が続くため、ハードな働き方が合わない方には難しいでしょう。
2.一般企業での働き方とメリット・デメリット
税理士資格を保有したまま、一般企業に勤務して経理や税務の業務を行うこともできます。
中規模以下の企業であれば経理や財務・総務はもちろんのこと、金融機関からの資金調達など、事務手続きの大半を任せられることになります。
また、M&Aを行うような上場企業であれば、M&Aに関する税務やタックスプランニング・海外子会社の税務業務などにも携わることになります。
一般企業で働く場合、部署ごとに、メリットとデメリットが異なります。
経理部で働くメリット・デメリット
上場している一部の大企業を除けば、一般企業で税務の専門部署を設けている企業はそれ程多いわけではありません。したがって、経理といいながらも、実際には税務や労務、総務や人事なども兼任し、書類に関わる広範な業務を任されることが多くなります。
税理士として専門性を活かした仕事を行うことは難しいというデメリットがある反面、中小企業の内面をかなり詳しく知ることができるため、ここで得た知識は独立開業後に活かせるというメリットもあります。
税務部で働くメリット・デメリット
大企業の一部や積極的にM&A戦略を打ち立てている企業の一部には、税務専門の部門が設けてある場合があります。税理士としてこのような部署に就職すると、専門知識を生かしたタックスプランニングの立案や海外税務、M&Aなどに積極的に関わることができます。
基本的には大企業が多いため雇用が安定しており、高い給与水準や福利厚生を期待することができます。こういったメリットがある反面、将来的に開業税理士となる場合は実務経験などが不足してしまう点がデメリットと言えるでしょう。
社外取締役・監査役に就任するメリット・デメリット
税理士ならではの専門知識を活かし、一般企業の社外取締役や監査役に就任することも可能です。社外取締役や監査役は兼任できるため、たとえば開業税理士でありながら顧問先などの社外取締役に就任することも可能です。
このように、開業税理士との二足のわらじを履きつつ一般企業の企業経営や監査を行うことができる点はメリットですが、よほどのチャンスがない限り就任するのが難しい点がデメリットと言えるでしょう。
3.開業税理士での働き方とメリット・デメリット
税理士の働き方として、多くの人が最もイメージされるものの一つが独立開業です。
多くの場合最初はゼロからのスタートになるため経済的に安定させるまでは大変ですが、ある程度顧問先さえ増やせれば収益も安定し、自分で決めた思い通りの働き方をすることが可能です。
また、誰かに雇用されるわけでないため、定年などを心配する必要もありません。
開業税理士になるメリット・デメリット
最後が、税理士として独立開業するメリットとデメリットについてです。数人のスタッフ(税理士補助)を雇い小規模会計事務所を経営する場合や、他の税理士と税理士法人を設立して大規模事務所を目指す場合など、開業にともないどの形態を目指すかは本人次第です。
メリットとしては、自分の目指す働き方でやりたい業務を行うことができる点や、頑張り次第でいくらでも収入を増やすことができる点、また定年退職などがない点などが挙げられます。
反対にデメリットとしては、収入をある程度安定させるまでに時間がかかる点や、税理士同士の競争の激化や万が一の場合の訴訟リスクなどをすべて自分で負わなければならない点などが挙げられます。
まとめ
本記事では、税理士の働き方の種類やメリット、デメリットについて解説してきました。
税務を武器に仕事をするといっても多様に選択肢があります。
その中でどの選択をするかでその後のキャリアの方向性が変わってくる可能性が高いです。
取得までの難易度が高いと言われている税理士資格を合格したからには、自分の人生をより良くしたいという思いが強い方が多いと思います。
自分のキャリアと向き合い、しっかりと考えることが税理士として明るい未来への1歩につながるでしょう。
まずは、本記事に紹介されている働き方を改めて確認し、少しでも興味がある分野について事前に詳しく調べることが重要だと考えます。
すでにキャリアがスタートしている方でも、一度振り返る時間を作ってみても良いかもしれません。
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所属税理士がキャリアの相談にも乗ることもありますので、少しでも興味があれば一度問い合わせていただければと思います。